①学生時代のバイト
私は社会に出る前は、ピザ屋、食品加工工場、チラシ配り、建設作業、印刷工場、宅配屋、調理、ボーイ、清掃人、配膳人など、短期も合わせると恐らく30職種は越えるほど様々なアルバイトを経験しました。
ただ、ほとんどの方が同じだと思いますが、最初の頃の目的は単にお金を稼ぐことだけでした。
仕事そのものに個人的な興味は持っていなかったので、勤務終了間際には時計を見ながらそわそわしだし、終了時間と共に即座にタイムカードを押して退社、ということの繰り返しだったように記憶しています。
ですが様々なバイトを転々としているうちにやがて、出勤時間が待ち遠しくなる職場に出会うこともありました。
特に思い出深いバイト先は大学3年生から卒業間際まで働いてた食品加工工場の夜間勤務バイトでした。
ここは給与の週払いにも対応していたからか、学生だけでなく様々な人達が集まっていました。
大学を途中でドロップアウトして長くフリーターをやってる人も多くいましたし、一度は社会人として勤めていたもののブランド品や自動車等のローンでクビがまわらなくなり、泣く泣く勤めていた会社を辞めた人や、借金取りから日々逃げ回っているような境遇の人もいました。
そのような人達から社会人としての様々な経験や失敗談を聞けることが、当時まだ学生だった私にとってはとても刺激的で、また仕事の面でも学ぶべきことが多かったです。
実際のところ、彼ら社会人経験者達の仕事に対する姿勢はバイトの身分にも関わらずかなりハイレベルでした。
仕事後にバイト全員を呼んで集会を開き「いかに効率的に仕事を進めるか(もっと楽してサボれるか)」といった事や、
「いかにして生産性を上げるか(もっと時給を上げさせるか)」といった課題についても積極的に話し合うことが度々ありましたが、
そこで話し合った結果を仕事に反映してみると、目を見張る成果を出すことができ、またそれが全員の更なる労働意欲向上に直結しました。
元々の動機はともかくとして、それ以前のバイト先では、上から言われた仕事をただこなすだけの人達しか見ていなかったので、バイト同士が自発的に集まって集会を開くといった光景は本当に驚きで、
ここでの経験はその後の私の仕事に向き合う姿勢を一変させるものでした。